パーマをかけると、イメージしていた長さではなく…短くなるのはなぜ?
パーマをかけると、イメージしていた長さではなく…短くなるのはなぜ?
このような声をよく耳にしますが、美容師にイメージラインを伝えたにも関わらず、この様な事になってしまうのは【美容師の責任です。】
私がスタイリストデビューをしたころ、いつもこの壁にぶつかり、お客様に呆れられた経験を思い出します。美容師歴が33年めを迎えた上総です。
未熟な知識・技術では、ただでさえオーダー頂いた長さにカットするのも一苦労なのに、自由に作れるパーマテクニックを持ち合わせていませんでした。
失敗や練習を重ねてゆく過程で、パーマの強さやスタイルによって、残しておかなければならない髪の毛の長さや、パーマの際短くなってしまう長さが判ってきました。
私がパーマの際に気を付けているポイントをお教えしましょう。
- お客様のイメージした長さをお伺いします。『長さの把握』
- かけたいパーマのイメージ(緩めなのか、シッカリめなのか?)『バネの原理』
- ブローをするのか?パーマを残したスタイリングにするのか? 『バネの原理』
- お客様のオーダーよりも長めにカットしパーマをあてる。『保険をかける』
- 先にパーマをかけあげイメージラインにカット。『保険をかける』
なぜ…Why…なるほど…!!
経験から培ったMYセオリーを解説してみましょう。
『長さの把握』…お客様は少しでも短い・長いに敏感ですよね。ピッタリと当たれば納得して頂けるのです。
『バネの原理』…バネを想像してみて下さい。
きつく巻かれたバネ…伸ばそうとしても戻ろうとする。短くなろうとする。
緩く巻かれたバネ……伸ばし易く、戻ろうとする力が弱い。
針金が太いバネ…しっかり耐久性があり、伸びにくい。
針金が細いバネ…耐久性が弱く、伸びやすい。
この様にバネとパーマのかかった毛髪性質は似ていますね。
『保険をかける』…お客様からのオーダーの長さに近づける為の方法です。
①縮んでしまう長さを計算し、あらかじめ長さを残しておく。
アフターカットで余分な長さを切ってイメージラインにする。
②ウェーブの強さを、ロッド選定や薬液の効率で調整する。
巻きが強いと上がる・弱いとあまり上がらない…ロッド選定(大きさ)や巻き方を工
夫したり、薬液選定でもウエーブの強さを変える事が出来る。
過度なパーマ・カラーは避けましょう
パーマスタイルがいかに繊細で難しい技術であるか認識していただけましたか?
お客様のヘアコンディションでも、パーマの仕上がりが相当変わってしまいます。特にハイダメージヘアは思うようなウェーブを創ることが難しくなり、【美容師の責任】もより高度な技術・知識を要求されてしまいます。
パーマヘアを楽しむ為に、過度に頻繁なカラーチェンジや縮毛矯正は避けましょう。
文章・上総誉敬(たかゆき)