雄作独白⑦「カラーのときラップをする意味」
ラップひとつにも意味があるんです
カラーの場合
①カラー剤の乾燥を防ぐ
②頭皮の熱を利用して加温する
③髪に塗布したカラー剤が顔や首に付かないようにする
❏カラー剤の乾燥を防ぐ
カラー剤は1液と2液を混ぜてクリーム状にして塗布します。カラー剤は空気に触れて発色する酸化染料です。しかし美容室の空気は冷房や暖房で不安定です。また内側より表面のカラー剤が乾きやすく、顔周りのカラー剤は薄めに塗っていますのでますます乾きやすいのです。
ですからからそれらを一定にするために、外気からカバーするのです。
ですから、ベストな塗布状態を守るためラップをして乾燥を防ぎます。
❏頭皮の熱を利用する体温を使ってカラーの色を少し発色させる。
ファッションカラーは、地肌付近にカラー剤を薄く塗ります。そのため発色が遅かったり、明るくなりにくかったりします。そこで体温の熱を使って薬剤の浸透を促進させるためにラップをします。
❏髪に塗布したカラー剤が顔や首に付かないようにする。
カラーの放置時間中に下を向いて雑誌を読んでる時、カラーを塗った髪の毛が顔周りに落ちてきたら大変です。触ると手は汚れますし、首にカラー剤が付くと気持ち悪いし、過敏に反応する可能性もあります。ですから優しく包むようにラップをします。
カラー剤が乾燥すると上手く発色しないことがあります
髪を暗くする、しっかり色味を出す薬剤の場合は、ラップをあえてしない場合もあります。「あれ?今日はラップしないのかな?忘れているのかな?」っと思ったら美容師に聞いてみて下さい。どうしてなのか、きちっとした理由を教えてくれます。
染まるのは「酸化」なのです
カラー剤は酸化染料なので空気に触れて発色します。酸化と言えば、果物のリンゴもそのままにしておくと色が黒くなってしましますよね?それと同じです。
カラーの時ラップをしておいて10分、ラップを外して空気に晒し10分など、発色を調整する技術もあります。
色々な場面がありますが、無意味にラップを巻いているわけではないのです。
文章・青木雄作