雄作独白⑤「どうして美容師になったのか」
世紀末に美容師になりました
お客様からよく聞かれます。
「どうして美容師になろうと思ったんですか?」
僕は20世紀の終わりの年、2000年に美容師になりました。
高校を卒業したあとに、大学や専門学校に行くという選択肢は無くて、早く働きたいと思っていました。それはきっと「大人に早くなりたかった」んだと思うんです。
ときに、カリスマ美容師ブームでした・・・
テレビや雑誌で美容師が取り上げられ、社会的に美容師という職業が注目を集めてました。
以下、フジテレビ「シザースリーグ」より
石井竜也が「石井ビューティー」名義で司会を務め、都内の代表的な6つのヘアサロン(ACQUA、HAIR DIMENSION、ZACC、RITZ、anti、MINX)から精鋭の美容師を集め1対1のリーグ戦形式で対決。最終的には女性観客が「どちらの髪型に共感が持てるか」という基準で投票を行い、得票の多いほうが勝利するというシステムだった。番組は開始当初から大きな人気を集め、同年7月に東京・新高輪プリンスホテルで開催されたイベントには1万円という高額な入場料にもかかわらず1万人以上の観客が集まるなど、文字通りの「カリスマ美容師」ブームを呼んだ。
なりたい職業No.1は美容師という時代に
「カッコイイし、モテる!」
と当時の僕(18)には、このツカミだけで十分な動機付けでした。
美容の仕事への情熱とか夢とか全く無い状態で市内の美容室へ就職、美容学校は通信科でスタートをしました。
なんとかなるし、嫌になったらすぐに辞めよう・・・ なんて気持ちで。
世間知らずの無謀な若者・・・
ここまでを読んでみると、完璧に「働く」事をナメてますよね。
正直ナメてました。「早くカットがしたい!」「上手くなりたい!」の一心だけで、周りの事なんて考えない無謀な若者でした。
美容師に「なった?」「なれた?」「ならせてもらった?」
美容師を志して、一番支えてくれたのは家族でした。
この高知新聞の切り抜きは、ぼくの母が切って残してくれていたもので、19歳くらいの自分が写っています。
もっと楽しそうにやればいいのに、随分難しい顔をしてやってますね(笑)
そして後輩が出来て、お客様にも「シャンプー気持ち良かった!」と声をかけていただき、スタッフにも支えられて美容師を続けさせてもらった事で「今」があります。
沢山ある高知の美容室の中で、ぼくを指名してご来店してくださるお客様のおかげで美容師をさせていただけています。
ともに働くスタッフのおかげで、素敵な美容師になろうと思える。
いつも支えてくれる皆様への「感謝」を忘れずにいたいものです。
文章・青木雄作