「一人前の美容師になるまで」②入店してすぐシャンプー編
一人前の美容師になるまで
美容室リグレッタに入って1年めの終盤に差しかかった田所 円が体験に基づいてお知らせします。
美容室で美容師として働くためには、美容専門学校を卒業して、美容師国家資格を取得してからでないと、お客様の頭に技術を施すことが出来ません。
美容専門学校は、高校を卒業した人が通学で2年間、または通信制度で3年間学び、国家試験を受ける資格を得てから、筆記テストと実技テストの両方に合格して初めて「美容師国家資格」が認定され、厚生労働大臣が認めた美容師資格をもらえます。
参考記事 ↓
一般的には、それと同時に美容室に入店し、アシスタントからスタイリストまでの修行の日々が始まるのです。
だいたい最初は、シャンプー実技から行います。
覚えるまでに時間が比較的かからず、体力的にも大変なシャンプー技術は新人のスタートの場なのです。でもそのシャンプー技術の中には、美容師すべてが含まれていると言っても良いのかもしれないというほど、原点のエキスが詰まっています。
シャンプーの難しさ
シャンプーは傍から見ると、単純作業の様に見えますが、この中で美容師とは何か?を学んでいると言っても過言ではないほどに、行程に様々な技術の使いこなしと心遣いの難しさが含まれているのです。
なぜなら一見単純作業のように見えて、全てがお客様お一人お一人に合わせたカスタマイズされた技術がシャンプーの必要な要素に入って居るからです。
一般的に気をつけ、使い分けること
❏髪質、地肌等の状態に拠るシャンプー剤、トリートメント剤の使い分け
❏お客様の頭皮・頭髪コンディションによりマッサージの強さや力加減をコントロール
お客様の年齢や体調によって気を配ること
❏小さいお子様・顔にカーゼをかけたがらないので、お顔にシャワーが飛び散らないように注意する
❏お子様は予期せぬ動きがあるので、事前に行程を説明して不安感を取り除いたり、こうしてほしいと伝えたりして、心の準備をしてもらう様にしておかないと、シャワーが跳ねてしまったりするアクシデントが起こったりしてしまいます。
❏ 妊婦さんやご年配のお客様の場合、シャンプー中に腰や頸が痛くなったり体調が悪くなる可能性があるので、シャンプー前にクッションやタオルを使いラクな姿勢でできる様に心がける
シャンプーは、「心で洗う」
シャンプー技術に美容のすべてが詰まっている・・・この意味がわかりませんでした。
洗うのは指、と手とシャンプーでしょ?と最初は思いました。
でも違うんです。
本当に気持ちのいいシャンプーはお客様ひとりひとりに満足が違うようにそれぞれなんです。
シャンプーしているときのお客様のリラックス度、気持ちの良さ度をシャンプーしながら見抜けなければなりません。
そのひとつがお客様の「くつろぎ度を見る」、です。
お客様がくつろいでおられなければ、シャンプーの良さは半減します。
頸の位置、頸クッションの具合、高さ、ガーゼの位置、シャンプークロスの乾燥度や締まり具合などの「不」を確認して、状態を整えます。
それからリズミカルなマッサージを繰り返すことで、お客様が徐々にくつろがれていくその瞬間が分かるようになります。
どうすればこのお客様はもっとくつろいでいただけるのか?このポイントがこのお客様のくつろぎポイントなのか、分かるようになるんです。
これらの秘訣が他の技術にもつながる「心のくつろぎを読む」ことなのです。
すべての技術と接客サービスを、この気持でしていくと必ずお客様からのリアクションがあるものなのです。それを信じて私は次の練習に励みます。