どのような時にレザーカットの技法を使うのでしょうか?
レザーカットの長所・短所を教えてください。
あくまでも美容師がスタイル性や仕事効率で、道具をチョイスしていると思っていただけると幸いです。
お客様によっては『レザーは傷むし、バサバサなってしまうので嫌…!』と端から悪者のような思い込みをされますが、お客様のなりたいスタイルの為には不可欠な場合がある「道具」なのです。
レザーよ、おぬしなかなかやるなぁ…!!
やらず嫌いで何となく・・・の方に知っていただきたいレザーカットの良さ、そして短所も含めてリスクをお話ししましょう。
レザーの長所
①ハサミ(シザー)では出ない毛先の軽さを出す事ができる。
②切ると同時に毛量を梳くことができる。(時間短縮)
③ブラント感が出ない(ハサミのパッツン感)が出ない。
④自然な質感になる。
このように、良さを語ればたくさんあるのです。
例えば、髪の毛の量が多く軽さを望む方は、シザーカットの場合ブラント感を出さない為にハサミを縦に入れたり、梳きばさみ(セニング)で量を取ったり、質感を創る為に時間がかかってしまいます。
そんな時、同じ様な質感を創る為にレザーを使うと短時間に出来たりします。
そうはいっても…レザーカットはNG!!の場合があります。
レザーカットの弱点・・・
『何回かレザーカットしたけど、やはりパサパサになったり毛先が落ち着かないから嫌だ!』とレザーカットを敬遠している方の理由はこれだ!!
レザーの短所
①重めの質感になり辛い(軽くなりやすい)
②切れないレザーは髪の毛を傷める。
③ブラント感が出ない(ラインがぼける。)
④キューティクルを傷つけ、パサっとしてしまう。
レザーが嫌いになってしまう理由を作ってしまうのは【美容師の責任】です。
使い方を誤ってしてしまうと、そのお客様の「苦手意識」に刷り込んでしまうことになりかねないからです。
この様に髪を傷めてしまったり、最初から狙った質感にならないのなら、美容師はレザーを使いません。レザーの刃が劣化している場合は、切れ味が悪く、引っ掛かり切り口がスパッと切れていない場合があり、結果ダメージを作ってしまいます。
これはハサミ(シザー)の劣化も同様なので、レザーだけが悪者ではなく、美容師が道具の手入れを怠ったり、適材適所での使い方ができなかったのも、責任重大だと思います。
レザーを使う・使わないは美容師と相談…!
美容師に事前に申し出ていただけるとレザーは使いませんが、先に述べたメンテナンスに気をつけ、オーダーや髪質によって、レザーを使っての施術をご提案させていただく場合もあります。
本人のなりたいスタイルに欠かせない道具(技法)であれば、是非一度は挑戦していただきたいと思います。
きっと苦手意識=トラウマが解消され、短時間でお気に入りのスタイルを堪能することが出来るでしょう。
文章・上総誉敬(かずさ たかゆき)