カラーリングの時によく使われる「明度と彩度の違い」について詳しく教えて下さい。
カラーリングの時によく使われる「明度と彩度の違い」について詳しく教えて下さい。
美容師の世界では常識の様に使われる「明度と彩度」ですが、一般のお客様にはわかりにくい表現のひとつです。「明るさと鮮やかさ」なのかな?というのが一般的かもしれません。
美容室リグレッタの平田奈美が、詳しくご説明します。
平田さんは、以前神戸のブライダル・サロンにいたことがあり、ジェルネイルとメイクも得意技で、今スタイリストを目指して猛勉強中です。
お答え
明度とは明るさのことで彩度とは鮮やかさのことですが、「明度と彩度の違い」を理解するのには、色は「純色の色+白色の量+黒色の量」であると考えると分かりやすいのではないでしょうか。
引用 http://ameblo.jp/ryuarwz/entry-11783483555.html
図の1番上の行の右端の赤色を純色といい、混じりっ気のない色のことを指します。
横のライン(明度の差)を見てみると、彩度が高い色は純色の色が多く、低い色は純色の色が少なく白や黒の量が多くなります。淡い色とは純色が少ない色の事です。逆に鮮やかな色とは白や黒の量が少ない色のことです。
今度は縦のライン(彩度の差)を見てみると、明度が高ければ高いほど白の量が多くなり、明度が低くなると黒の量が多くなるということがお分かりいただけると思います。
まとめ
彩度:白や黒に対する純色の量。純色の量が多いほど鮮やかで少ないほど淡くなる。
明度:白の量が多いほど明るく、黒の量が多いほど暗くなる。
また根元の色と毛先の色が揃いません。どういう風にすれば同じ色になりますか?
そして、ヘアカラーのもう一つのご質問ですが、サロンでキレイに染めたのに1ヶ月後に根本部分と毛先部分の色味が違ってくるのはなぜ?ということに対してお答えします。
防ぎようのない褪色
根元の色と毛先の色が揃わない理由としては、「褪色(たいしょく)」が原因ではないかと思われます。
カラーは、髪の中に入った染料がつながって、発色することで色が見えています。でもカラーの直後から染料同士のつながりは少しずつ自然に壊されてしまい、色味も当然失われてしまいます。この状態の事を「褪色」といいます。
髪の毛の1番外側を覆っているキューティクルが傷むとタンパク質が流れてしまうのと同じように、カラー剤の染料も開いたキューティクルの間から自然に流れていってしまいます。
毎日のシャンプーをはじめ、紫外線やドライヤーの熱など、日常のさまざまな要因で染料は壊され減って行ってしまいます。また、髪のダメージが進めば、さらにカラーの褪色は進んでしまいます。
これ以外にもパーマやカラーの色味によっても褪色しやすい色、そうでない色があるなどの理由があります。カラーをキープするためには、まずはケアを念入りにして毛髪を大切にすることが肝心なのです。
一度褪色してしまった髪の毛は、再度カラーをする事できれいになります。
リグレッタではお客様の希望される色に仕上げるために、髪の毛の状態を見極めて対応しています。もともとあったメラニン色素や残っている染料の状態を考えてお客様の現状からご希望のカラースタイルをつくることができます。
カラー剤を塗布する前に髪の毛に栄養を入れてあげたり、カラー後失われた栄養を入れてあげたりとダメージを「最小限に抑えて」カラーをしています。
既に染めている部分、新しく生えてきた部分、褪色した毛先・・・これらを同じカラー剤で染めても、全部が同じ色にはなりません。それぞれの状態に応じてヘアカラー剤を使い分けたり、混ぜ合わせる2剤を変えたり、2つのカラー用カップに違った薬剤を用意する「2カップ」という技術で複雑なカラーをしています。
色味の調合、デザイン、塗り分けなど、以前にしたカラーと違和感なくきれいに仕上げるための美容師というプロにしかできない技のひとつです。
お客様の肌色やイメージにあった色味、ヘアカラーサイクルを考え、より似合うカラーをより楽しく提案させていただきます。
美容室リグレッタ 平田奈美